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2007年1月19日 (金)

世界で一番明るい町 (超短編)

 カメラを買ったので、世界で一番明るい町に行くことにした。飛行機で十二時間。半島の先っぽにあるとても小さな町。

 積み木で作ったような単純な町並み。バニラやストロベリー、ペパーミントのアイスのようなカラフルな壁には、美しい模様の装飾タイルがアクセントにはめ込まれていた。にぎやかな色彩で絵付けされた陶器がこの町の名産品なのだ。

 もうひとつ名物がある。ぴっかり禿げ上がった男性の頭だ。町中の禿げ頭にはみんな、陶器と同じような美しい模様がペイントされていた。カメラを向けると、そろって自慢の頭を見せてくれる。町には禿頭専門の絵付師がいるお店があった。このペイントは、自然に禿げた頭にしか許されないらしい。特別なオシャレなのだ。

 たっぷりの日差しの中、派手な頭でおじいさんが歌をうたいステップを踏む。それを見てみんなが楽しそうに笑っている。おなじような光景をいくつも見た。

 わたしはひとつずつ模様のちがう頭をいっぱい撮って帰国した。まぶしい禿げ頭の写真を眺めていると、ふつふつとあの町にいた時の楽しい気分がわきあがってくる。

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コメント

わー、いいなぁ。
ちょっとシュールでちょっとキュートなこういう作品、大好きです。

ありがとうございます♪ うれしいなあ。
最近こんな話ばっか書いてます。

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