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宝探し団 (超短編)

 残業ですっかり遅くなった帰り道、背の低い黒ずくめのおじさん集団とすれ違った。一緒に歩いていた同僚が振り返って「宝探し団だ!」と言う。最近、近辺の複数の公園の砂場が、夜のあいだに全て掘り返されるという事件があり、宝探し団の仕業だとのうわさが広まっていたのだ。僕たちは無言でうなずき合い、黒ずくめ集団の後を追ってみることにした。
 いくつかの角を曲がると、川の堤防の前に出た。宝探し団はまわりを気にするでもなく、準備していたはしごを堤防にかけて、ひとりずつのぼっていく。全員が堤防の上に立つと等間隔に並び、背中に差していた、たも網をいっせいに掲げた。たも網の柄はめちゃくちゃ長い。
 同僚が僕のそでをひっぱった。近くの橋を指さしている。ここからでは宝探し団が何をするのかさっぱり見えないので、僕たちは橋の上に移動した。
 一番手前にいるのがリーダーのようだった。彼の号令とともに団員たちは、「エメラルドー、ほい! エメラルドー」と、野太い声にあわせて川の水をざぶざぶとすくいはじめた。やがて彼らが引き上げた網には、きらきらと緑色に輝く小さな石のようなものがついていた。「今日は少ないな」「結晶化はまだ早かったか」そんな会話が聞こえてくる。そしてリーダーの合図で宝探し団はすばやく去っていった。

 彼らが網を入れていた川面は、すぐそばのビルの、緑色のネオンがあざやかに映り込んで、大きくゆらいでいる。

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